2013年03月08日

フィンランドの投資雑誌「ARVOPAPERI」12月号にインタビュー記事が掲載されました。

宣伝し忘れていたのですが、年末にフィンランドの投資雑誌にインタビューを受け、年末号に記事が掲載されました。
雑誌の名前、「ARVOPAPERI」とは、「証券」という意味のフィンランド語です。

今回の特集記事は、日本のバブル崩壊後の資産運用について、研究するというものでした。
欧州債務危機もさることながら、今後高齢化社会を迎えるフィンランドも、株価の先行きに不安を抱えています。日本では、先行してバブル崩壊や高齢化社会を迎えて、「失われた20年」と呼ばれ、株価が長期にわたって低迷してきた中、どのように資産運用をしているのか、特に個人の投資家の動向はどうなっているのか、といった内容について、インタビューを受けました。
ついでに、現在のおススメ銘柄は?(11月時点)という質問で僕が挙げた銘柄は、その後きっちり40%ほど爆上げしております。もうちょっと長い目で見ればもっと上昇すると思っていますが、あえて銘柄は書きません。。笑

このインタビュー、当初雑誌に載るつもりで話したわけではありませんが、出来上がった雑誌が届いたらなぜかでかでかと写真入り!しかも、記事内容は当然フィンランド語なので、何が書かれているのか僕にもわかりません。おそるべし、フィンランド人。笑
あ、なので、僕がこんな格好でインタビュー会場に現れたわけではないことを、固く付言しておきます、はい。

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2013年01月24日

モンゴル石炭プロジェクトが…

こりゃ、モンゴルにとって結構大きなニュースですのぅ。
欧州勢中心に資源系の資金の出どころが細っていて、かつ需要先の中国がダルな感じなので、まあ想定しとったとは言え。

モンゴルの輸出先の8割以上が中国。
そして、モンゴルの2大石炭プロジェクトのタバンがこんな感じだと、もうひとつのオユ・トルゴイも推して知るべしか?
モンゴルの高成長は今これに負うところ大きいんだけど。
最大のリスク顕在化だけど、ちょい超えたところでここに投資する人は、いい目見るのかな?
日本の商社とか、勝負しどころかもねぇ。


モンゴル炭鉱開発事業、今年のIPO見送り=タバン・トルゴイCEO
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE90N03D20130124

[ウランバートル 24日 ロイター] モンゴルのタバン・トルゴイ炭鉱開発計画をめぐり、プロジェクトを担当する国営石炭会社エルデネス・タバン・トルゴイのバッツール・ヤイチル最高経営責任者(CEO)は、同社が資金難に直面しており、今年予定されていた新規株式公開(IPO)の実施がなくなったことを明らかにした。

同CEOはロイターに「エルデネス・タバン・トルゴイは資金難に直面しており、そのためわれわれは、石炭輸送と輸出を停止した」と述べた。

同CEOはまた、モンゴルが石炭の販売価格を国際価格並みにするため、中国アルミ(チャルコ)との石炭販売契約の再交渉を模索していると述べた。

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2012年12月12日

選挙と投資のアナロジー

選挙、迫ってきましたね〜。
実は前回衆院選の直前に、日経ビジネスオンラインにて、一般のかた向けに、選挙と投資のアナロジーについて、コラムを書かせていただいたことがあります。最後に、政治でも投資でも新しい仕組みづくりの可能性も示させていただきました。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20090821/203111/?ST=print

内容的には、今でも使える話だと思います。
もう時効だと思いますので、一応、下記に元原稿を引用させいていただきます。

衆院選が間近ですね。「1票ぐらい違ったって・・・」なんてシニカルなことは言わないで、汗水たらした稼いだお金で払う税金の使い道に関して、ぜひ意思表示をしたいところ。

 ところで、選挙と株式投資には、双方の理解に役立つアナロジー(類比)が色々とあります。選挙は、主権者が国の舵取りをする代理人を選ぶ行為です。同じ言い方をすれば、投資は、社会にとって必要な存在である企業(≒経営陣)を選ぶ行為となります。両方とも、応援することで最終的に便益を便益を期待するわけですね。

株式市場の取引が企業の応援となる理由

 ただ、株式投資がなぜ企業への応援になるのかは、分かりづらいかもしれません。

 よく「株式を買うことがなぜ応援することになるのか? 単に株を売った人にお金が移転するだけで、お金は企業に回っていかないだろう」と主張する人がいます。経営者にもたまに、こうした認識を持っている方をお見受けします。

 確かに、株式市場の取引では企業にお金が回っていないように見えますが、本当にそうでしょうか。では、もし株式市場がなかったとしたら?

*     *     *

タイゾウ君:K泉さん、僕今度、会社辞めて、事業を立ち上げようと思うんです。

K泉さん:ほー、何をするんだい?

タイゾウ君:えーと・・・。

K泉さん:おいおい、事業するなら、具体的に何をするのか、マニフェスト、じゃなかった、経営計画が必要だよ。それを持って、応援してくれる出資者を集める。これがないと事業はできないよ。よし、僕が集票、じゃなかった、出資者を連れてきてあげよう。

(しばらく経って、K泉さんが、Cさんという出資者を紹介する)

タイゾウ君:K泉さん、ありがとうございます。K泉さんのお陰で、事業の方は順調です。僕、頑張ります!

K泉さん:いやね、タイゾウ君、出資者のCさんが「資金を引き揚げたい」って言っているんだ。なんでも、奥さんが病気らしくて、お金が必要みたいなんだ。

タイゾウ君:えー!? じゃあ、事業資金はどうするんですか!?

K泉さん:うーん、僕はもうビジネスから引退するから、後は自分で出資者を見つけてきてくれ。人生イロイロだよ。

タイゾウ君:そんなぁ・・・。

 タイゾウ君は、必死で出資者を探して駆けずり回りましたが、なかなか見つかりません。もう事業を諦めようか、と思いかけたところへ、「おう、ワシが応援しちゃる!」と、Dさんが出資に応じてくれて、事業を続けることができました。

*     *     *

 ここでCさんが出資を引き揚げたいと言った時、Cさん自身が新たな出資者を見つけてくれたら、どんなに楽だったでしょう? Cさん自身が新たな出資者を見つけてくれたら、タイゾウ君はいちいち出資者を探す手間が省け、事業に専念できたはずです。その環境を実現するのが、株式市場の役割です。

 つまり、株式を売買することは、企業にお金が行っていないように見えますが、実は企業への出資であり、応援となっているのです。投資は、まさに企業への「投票」です。選挙と違うところは、1人1票じゃないことですね。

 選挙も投資も、相手の応援を通して社会作りをし、リターンを得る行為です。では、応援に当たって、何を評価基準にすればいいのでしょうか。

 選挙では最近、マニフェスト(政権公約)が重要視されるようになりました。サブリミナル効果を狙ったような名前の連呼や、単なる有名人に頼った選挙は、国民にそっぽを向かれつつあります。マニフェストなんてお洒落な言葉が使われていますが、要するに、当選後の行動計画ですね。

 しかし、きちんと判断しないと、格好いい言葉に騙されます。単なる配分の変更に過ぎないものをあたかもパイを増やす政策であるかのように語っていたり、逆に、一見バラマキのようだけれども実は今までより社会厚生を引き上げる現時点の最善策だったり。

 美辞麗句に惑わされないように、政策の本当の効果を判断できるのが理想ですが、なかなか難しいのも事実。政策に詳しくない人でも分かるように、政策の内容やその効果を翻訳する役割が、日本にはもっと必要かもしれません。政治アナリストと名乗っている人たちは、政治の裏話ばかりでなく、こうした機能をもっと担ってもらいたいと思います。

 最近では、ボートマッチ(Vote Match)というウェブサービスもあります。各政策論点についての自分の意見をクリックしていくと、どこの政党と一番マッチするのか、どの立候補者と考えが近いのか、判定してくれるものです。オランダ発祥ですが、今では日本にもありますので、試してみてください。

 一方、株式投資でマニフェストに当たるのが、経営計画です。株価チャートの動きのみで判断するのは、世論調査の支持率で政党の優劣を決めるようなもの。情報として無視できないのはもちろんですが、応援するのなら、これだけに頼るのはいかがなものでしょう。現在では、企業の情報公開が進んでおり、ウェブサイトで経営計画の基本的な情報は入手できるようになってきています。

 では、優れた経営計画とは、どういうものでしょう?

 「経営者が語っている」「理念の再確認がされている」「具体的に描かれており、かつ、数字に落とし込まれていて後で判断できる」「達成可能である説得材料として、客観的根拠が記されている」・・・。こういったポイントが挙げられます。

 舵取り役である経営陣のメッセージは重要です。経営者のメッセージには、その会社の将来像を判断するのに重要なカギが隠されています。最近では、どういう人が経営しているのか、何をしようとしているのか、ウェブサイトに動画で閲覧できるようにしている企業も増えてきています。

 経営者の話は、分かりやすく、かつ説得力がなければなりません。投資する人たちに分かりやすく説明できない場合、たいていは社員に分かりやすく説明できていません。実行する社員に「通じていない」のに、実行が伴うはずがありません。オバマ米大統領の分かりやすさは、重要なわけですね。

「選択と集中」は常に正しいのか?

 私が「む、この経営者デキるな」と思うのは(偉そうにすみません)、需要と供給を常に考えていること、資本の管理者としての立場を自覚していること、ステークホルダー(利害関係者)のバランスを大切にする姿勢があること、時間軸を長く考えていること、リスクを頭に置いて次善策を考えていること、などが経営者のメッセージから見てとれる場合です。

 例えば、経営戦略として「選択と集中」を挙げる経営者は多いです。しかし、長い目線で見た時、「選択と集中」はある意味リスクを負うことにもなります。世の中どう転ぶか分かりません。集中した事業が実は世の中にあまり必要でなかった場合、いくらそこが強みと言ったって事業は続けられません。

 進化論では、強いものが生き残るのではなく、環境の変化に適応した種が生き残ります。コアな強みを持ちつつ、時代に合わせた適応力を見せてくれる方が、「選択と集中で頑張ります!」と言われるよりも安心感があります。

 さて、マニフェストの判断ができたとして、即投票? いえ、プランだけなら、絵に描いた餅です。実行が大事です。では実行力があるか判定するにはどうすればいいでしょうか。

 過去の実績は、重要なヒントになります。いくら格好いいプランを並べていても、過去に約束不履行が続けば、信頼度は当然下がります。企業も政治も一緒ですね。過去どういう実績を積んできたのか、過去の計画に照らしてどれだけの実現したのか。

 これは実現力がなさそうだ、と思えば、その政治家や政党には投票しない=投資先企業を見直すといった行動を取らざるを得ません。過去の実績がない? それは、ベンチャー投資に似ていますね。よくよく観察して将来性に賭ける。プランもそれだけ説得的である必要があります。ただ、企業としての過去がなくても、実行する人たちには、何かしらの実績があるはずです。

 というわけで、マニフェスト=経営計画と、実行力から将来を判断することが選挙にも投資にも必要です。こうした分析では、他人の評判に惑わされない、ということが重要でしょう。人間の認知は、「ハロー効果」に騙されやすい傾向があります。

 ハロー(halo)というのは、後光のことです。後光を背負えば悪人も善人に見える、ということですね。要するに、評判のいい企業は、問題点に気づきにくくなりがち、ということです。応援しつつも、クールな頭で冷静に判断する、という姿勢が重要ですね。

 これを個人的に実行するのは、人によってはなかなかハードな作業かもしれません。そこで、仲介の役割が重要になってくる。私たちのような投資信託の運用会社は、さしずめ、投資のボートマッチですね。前回は、「結婚紹介所のおばちゃん」でしたが。

株式ではなく、土地・住宅でリスクを取る日本人

 政治への参加率が低いと、「民意が反映されない」「税金の使い道にチェックが働かない」など、国民の便益が低下します。同じように、株式投資が少な過ぎると、事業に回るお金が脆弱になったり、投資する側のリターンが低くなったりします。

 日本は、諸外国に比べて、株式投資の比率が低くヒトケタ台です。一方で、預貯金の割合は5割と高い。この構造はほとんど変わっていません。これをもって、「日本人はリスク回避的だから」という論調が多いですが、本当でしょうか?

 確かに金融資産だけを見れば、「リスク回避的」です。しかし、個人の資産を見ると言うなら、実物資産(土地や住宅)も含めて見る必要があります。そうすると、また違った姿が見えてきます。

 結論から言うと、日本の個人は土地と住宅に総資産の7割弱を投じており、不動産でリスクを取っている構造になっています。

 米国は、不動産価格が10年で2倍になりました。にもかかわらず、10年で3割下落した日本よりも、不動産投資の比率は低いのです。欧州には、現在は日本より不動産比率が高い国もありますが、これも不動産価格が値上がりを続けた結果です。米国以上に不動産価格が上昇した国も多いのです。日本は、恒常的に不動産投資比率が高いのです。

 要するに、日本人は土地・住宅でリスクを取っているわけで、特別にリスク回避的という主張は疑わしいのです。

 とすると、日本で投資による「参加率」が上がるには、不動産投資の割合が減るか、不動産のリスクが低下するかといった必要があるかもしれませんが、“怖がり遺伝子”まで変えなくてもいいようです。中古住宅市場の発達などで、不動産の流動性リスクが下がることが必要かもしれません。あるいは、人口減少と高齢化は、住宅にかかるお金を減少させ、結果的に実物資産の比率を引き下げるかもしれません。

 しかし、もっと主体的に、いい企業に「投票」することが必要になっている気がします。それは、グローバル化の影響で、労働の対価が目減りしているからです。

労働者であり、資本家であれ

 現在の不況に突入する前、世界的に景気が良かった時でも、日本の賃金は上がっていません。これを「小泉改革」のせいにする論調が多いですが、これまた疑わしい話です。

 「グローバル化」の影響の1つは、賃金の低い人たちが大量に労働市場に参加してきたことです。交通の発達やデジタル化の影響などで、簡単に作れる製品や複製できるソフトなどは賃金の安いところで、ということです。これは、日本の労働の価格を下げる圧力となります。

 労働需給の緩和が世界的に起こっているわけです。「労働の価格破壊」です。

 グローバル化は、一方で、新興国の購買力を引き上げます。このチャンスにのれる人とそうでない人の差は、広がるでしょう。

 しかし、全体で見れば、日本の貯蓄率は低下の一途です。これは、小泉さん云々レベルの話ではない。おそらく、新興国は経済成長とともに通貨が切り上がり、賃金格差や貯蓄率低下は緩和されるでしょうが、とは言え、しばらくこの流れは止まらないでしょう。

 つまり「労働者」としての立場だけでは、相対的にじり貧かもしれません。1つの解決策は、「労働者」であると同時に「資本家」にもなること。労働の対価以外にも、いい企業に投資して対価を得る、という別のルートを持つことが、こうした流れへの対応策になるはずです。現在の自分の仕事以外にも、世界と繋がる道を作り、その対価を得るチャンスを持つ。

 これは、労働を軽視しようとか、モノ作りを軽視しよう、という話ではありません。確かに、モノ作りの精神は大切にするべきだと思います。しかし、単なるモノ作りでは、日本以外の国でもできるようになっているわけです。もっと付加価値のあるモノ作りが必要ですし、投資は素晴らしいモノ作りをしている企業を応援する道にもなることは、これまで述べてきた通りです。

 銀行預金に貯めるのもいいでしょう。それだけでなく、社会に価値を提供する活動に投資することを、もっと考えていいと思います。どこに投資すればいいか分からない場合は、分かる人間を雇うのも1つの手で、それが投資信託です。その場合、雇われた側は、極力、雇ってくれた人に「どういう理由でどういう企業を応援するのか」、説明責任を果たす必要があるのではないかと思います。こうしたことで、「投票率」が上がり、「資本主義の民主化」が起こればいいと考えています。

「群衆の叡智」で限界を突破しよう

 最後に、投票が楽しければもっと参加率が上がるのではないか、なんて妄想で話を締めたいと思います。

 「群衆の叡智(英知)」という言葉があります。例えば、ビンに入った豆粒の数を推定するとします。当て推量の者、数学的に解析する者・・・など別々に推定します。すると、全員の推定の平均は、1人ひとりの推定よりも実際の値に近くなるそうです。

 全体が個の能力を上回るための前提条件がミソです。それは、構成員が「独立」「分散」していること。つまり、それぞれが勝手な理解の仕方をすることであり、「流されない」ことです。まさに多様性が重要なんですね。

 流されてはいい結果にならないというのは、選挙にも投資にも言えることです。

 経済学者のジョン・メイナード・ケインズは、株式投資を「美人投票」と表現しました。彼の言う美人投票は、単なるミスコンとは違います。複数の写真の中から最も美人だと思う人に投票してもらい、「優勝者に投票した人達に賞品を与える」のです。この場合、投票者は「自分が」美人だと思う人ではなく、「他の人が美人と思うであろう」人に投票することになります。ケインズは、これを株式投資に喩えたのです。

 美人投票方式で勝つには、「周りが気づかぬうちに」やる必要があります。周りがすでに気づいてからでは、まさに「流される」と同じことです。皆がいいと思った株は、もう上昇しています。これに乗っていい結果が出るのは、トレンドが続く時だけです。皆が流されれば、バブルですね。

 「群衆の叡智」が機能するには、流されないことが重要なわけです。皆が自由に編集できるウィキペディアなどは、まさに「群衆の叡智」によって運営されているわけですね。政策も、一部の政策立案者が立てるだけでなく、多様な参加者の中で、常にいいアイデアが生まれる仕組みがあれば面白いと思います。

 実は、残念なことに、多数決で常に最適な結論を得られるというのは幻想に過ぎません。「投票のパラドックス」や「アローの不可能性」で証明されている、民主主義の限界です。

 とすると、「みんなでいいアイデアをアップデート」なんて仕組みがあったら、1回の多数決による「限界」の影響を少なくできるかもしれません。インターネットがその環境を整えつつあるのは、間違いないでしょう。

 投資も、お金を投じるだけでなく、アイデアを投じる機会があってもいいでしょう。株主として意見を言える機会は、年1回の株主総会など、現時点では限られています。しかし、経営について、いやもっと身近に製品やサービスに対して、アイデアを投じる仕組みは充実できるのではないかと思います。

 とかく株主は「要求者」に終始しがちです。しかし、まずは「提供者」になる気持ちも必要かもしれません。そして、提供するものはお金だけ、という固定観念にとらわれることなく、アイデアも提供する。そうしたら、「群衆の叡智」が経営にも使えて、もっと面白い「投票」になりそうだと思いませんか?



PS.リンク先、日経ビジネスオンライン上の著者プロフィールでは、当時投資会社のマーケティングマネジャーを兼任していることになっていますが、現在はお役御免になっておりますので、一応。


2012年05月17日

instagramのfacebookによる買収に思うこと

随分前に書いて、不明な点も多いので放置していたのですが、一応アップしておきます。

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18か月で10億ドルの値がついて、あっという間に億万長者、ってことばかりが語られていますが、ちょっと別の観点から書いてみたいと思います。

●Exitの多様化
まず、ベンチャー企業のexitが、IPOからM&Aに移ってきているというと。
Exitの方法が多様化するのは、歓迎すべきことだと思います。

●ベンチャーのマネタイズ
ただ、仕事柄、ベンチャー経営者と会ったりするのですが、バイアウト狙いだからマネタイズの方法をあまり考えていない、という風潮が強いことには、懸念を感じています。
「タダでサービスして、ユーザー数をひたすら拡大して、企業価値が上がったところで、事業ごと売却する。マネタイズは、売却先が考える。」

しかも、こういう風潮を、投資家側も助長しているフシがある。
「マネタイズの方法なんて、別にいいんだよ。事業が売れれば。」

よく例に出されるのが、Amazon。
最初、マネタイズが進まずに赤字続きだったが、今や押しも押されぬネット小売のマンモス。
ただ、誤解してはいけないのが、マネタイズの時期が遅い、ということと、そもそもマネタイズの方法を考えついていない、というのは、決定的に違うというとこです。
マネタイズがいつまでもできないと、資本を食いつぶすだけで、だんだん足元を見られ始めます。
やろうと思えばいつでも稼げる、という状態を作っておくことは、とても重要です。
マネタイズを急ぐがあまり、ユーザー数が集まらずに小さくまとまってしまう、という批判もあると思います。
確かに、稼ぐために小さな中小企業にまとまってしまう、ということはベンチャーとして避けたいところですが、一方で、サービスに価格をつけたら広がらない、って時点で、たいしたサービスではないのかもしれません。

●買収価格について
なぜか色々記事を見てみたんですが、一つ不明な点が。
10億ドルでの買収ということはわかったのですが、10億ドルで株式の何%を売ったのか、どこの記事にも出ていません。100%の完全買収?それとも100%じゃないのか?
これがわからないと、いくらの時価総額を想定しての買収なのか全く分からないのですが、誰もこれに触れていない、ってのは一体…?
(まあ、要するに皆さん、したり顔で評論するものの、実際にはよくおわかりでないということか、おっと、誰か来たようだうぇrちゅいおpldgfhgjhk)

気を取り直して、仮に100%で10億ドルなら、日本円で約800億円の時価総額。
Instagramの財務状況を知る由もないですが、売上はほぼゼロなのでPL上稼ぎがあるわけではない。BS側は、資本を大きく食いつぶす投資が必要なわけではないと思いますので、サーバー代、開発費、人件費、家賃などなどランニングコストで資本を食っている状態なんですが、まあ13人なんでたいしたことないでしょう。というわけで、おそらく、BS上、バリュエーションに特別影響を及ぼすようなものはないと推察されます。
ってことは、バリュエーションとしてPERから考えても、まあそう問題はないよねってことになります。
800億円の時価総額を正当化する収益をPERで考えてみます。
仮に通常運転になった時の将来PER15倍として、毎年税引き後の純利益を50億円強稼ぎ出すビジネスなら正当化されます。税前の営業利益ベースで90億円ってところでしょうか。
現在3000万人の利用者数らしいので、全部アクティブユーザーとして、一人あたり毎年300円の営業利益。
利用者数がこれからも増加し続けるならば、まあ、そんなに高い買い物じゃないのかな、という印象。
一方で、この分野、意外に参入障壁が高くないってことを考えると、マネタイズはそう簡単でもないのかなぁ、なんて風にも思います。facebookが買うと、instagramのマネタイズは途端に楽になるのかな?そんなビジネスに仕上げられるんだっけ?

以上は、あくまで100%を10億ドルで買収した場合の試算です。
100%じゃないとしたら、それだけ収益のハードルが上がるということです。

どなたか、この買収比率ご存じのかたいらっしゃいませんか〜?

2011年07月14日

「恋愛VS 婚活」で考える投資学

教えている学生さんへの課題を出したいので、2年前に日経ビジネスオンラインに書いた原稿の元ネタを、ここにupしておきます。

日経ビジネスオンラインの原稿はこちら

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 巷では「婚活」という言葉が大はやりですね。ドラマのネタになるほどで、今年の流行語大賞には間違いなくノミネートされそう。まるで、少子化対策のために誰かがフィクサーになっているような印象を持つのは、スパイ映画を観たばかりだからでしょうか?かくゆう私も、30代後半になってまだ独身なので、他人事ではないのですが。
世間で言う婚活は結婚相手探しと同義ではないようですが、いずれにしろ、恋愛相手を探すのとは明らかに基準が違うようです。私は、元証券アナリストの経営コンサルタントで、長期投資をする投資信託の運用会社に関わっています。アナリスト時代から思っていたのですが、長期投資はまさに婚活、短期投資は恋愛相手を探すのによく似ています。今回は、投資を男女関係にたとえて、投資先企業の選定に大切なことを整理してみたいと思います。ただし、私が以下のような結婚観や恋愛観を持っているわけではなく、あくまで一般論の話なので、誤解なきよう・・。

恭子さんの場合、美香さんの場合

美香さん:お姉さま、今帰った人、この間のかたと違うようだけど、また違う男性と付き合ってらっしゃるの?

恭子さん:ええ、そうよ。それが何か?今の彼のほうがカッコいいし、年収も高くていらっしゃる。ドキドキ感がまるで違うのよ。恋愛はアドレナリンよ、いかに血わき肉躍るかよ。そういう美香さんは?

美香さん:私は恋愛はもういいわ。今は結婚したいの。世間で言うところの婚活中です。だからアドレナリンよりも癒される方がいいの。見た目や職業なんてこの際どうでもいいわ。安定的でしっかり者で、将来安心して一緒にいられる殿方がいいの。そんなかたは、お姉さまの周りにはいらっしゃらない?

恭子さん:あら、そんなかたがいらっしゃったら、私がもう結婚しているわ。
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2010年04月28日

離婚保険とか失恋保険とかで妄想

前エントリを書いていてふと思ったんだけど、離婚保険とか失恋保険とかあったら売れるのかな。

別れてボロボロになって働けなくなる、その間の手当て。
いや、普通の人なら必要ないでしょうが、高城さんのような職業の人が、あれだけボロボロにされた姿をメディアで白日の下に晒されたら、下手すると相当長い時間仕事に支障をきたす可能性がありまして、そうなると保険の機能がいきる可能性が…。

まあ、後田さんに言わせると、「それは沢尻さんと結婚した時点で不確実性の低い事象になるので保険には適しません」ってことになるのだろうな。
いやでも、これだけボロ雑巾のようにされるのは、…ああ、それも想定の範囲ですか、そうですか。
じゃあ保険じゃだめだ。

ということは、離婚つみたて投信、とか失恋つみたて投信、とかあればいいんだ、そういうことだ。

タグ:保険 金融 投信

2010年01月28日

精緻に間違えるより大らかに正しい方を

昨日のエントリへのコメント欄でのご質問、回答が長くなったのでエントリにしました。

コメント

学生です。会計分野でMAに携わりたくバリュエーションの本を読んでますが、予測が絡む種々のモデルで物凄くモヤモヤしています。実務で扱うのは、もっと精緻なモデルなんでしょうが…


精緻なモデルっていうと、こういうのです。

モンテカルロDCF、リアル・オプション」(クリック!)

色々論文はあると思いますが、大体こういうのの派生では?

精緻と言ってもこんなもんです。
これはこれで新たな限界があるわけです。

精緻に間違えるより、大らかに正しい、というか納得感があるほうが、重要だと思います。

あ、それから、DCFで割引率にCAPMとか使うのも、今の教科書ではそう書いてますが、ダメですね。
あれも精緻にやろうとして(精緻でもないが)、結局間違えるパターン。

というわけで、結論は、精緻にしても予測の精度が上がるわけではないので、ざっくり前提を置いて(例えば、人口がこれぐらい増えるので、これぐらいの成長率でとか)納得感のある落とし所を探る、というのが実務です。
タグ:経済 金融 投資

2010年01月27日

「ブラック・スワン」の最も有効で優しい使い方 書評:ナシーム・ニコラス・タレブ「ブラック・スワン」

しばらく前に読了していたのだが、遅くなってしまった。

彼が言いたいことは、前著の「まぐれ」から変わっていない。

真の変化はそのシステム(=系・集合)の外からやってくる。

これだけ。

ホントにこれだけ。

でも、これが分からない人がわんさといる。
しかも「専門家」ほどこれがわからない。


本著のエッセンスは、「まぐれ」に、「禁断の市場 フラクタルでみるリスクとリターン」を加え、「予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」」で味付けしたもの。

この3著のエッセンスを完璧に理解しているなら、「ブラック・スワン」は読まなくてもいい。
完璧に理解していれば、ね。(あ、僕もか)
「ブラック・スワン」は、「まぐれ」よりも扱う対象が広がっているので、それでも有用かもしれないけれど。
そうそう、これも副読書で。(「なぜビジネス書は間違うのか ハロー効果という妄想」)

僕は以前、予測の仕事をしていた。
でも、本質的に予測なんてできないのだ、ということがわかった。
複雑系がきっかけだった。(関係ないけど、バタフライ効果って誤解されていない?)
複雑系がきっかけでエコノミストになったのに、皮肉なもんだ。
そして、タレブとマンデルブロは、予測の限界を別の角度から再確認させてくれた。

証拠をいくら並べ立てても意味はない。
反証が見つかっていないだけかもしれない。
逆に、反証は一つでいい。

これって、論理学では常識なのに、机の上を離れると何故みんなすっかり忘れてしまうのだろう?
裏付けを並べて、これが正しい、とのたまうものばかり。
専門家は毎日これを繰り返している。
これってまさしく、白い白鳥を並べて、だから白鳥は白い、と言っているに等しい。
そこに黒い白鳥が1羽出現するだけで、すべては崩壊。

確かに、確率的には白鳥は白い方が高いのかもしれない。
でも、影響を考えたら、実は黒い方の白鳥が、一発の破壊力を秘めているのだ。
そう、文字通り「秘めている」。
こいつはシステムの外側にいるのだ。
だから通常の系の内部をいくら観察したって、黒い白鳥の到来はわからない。
なのに専門家は、通常の系の中をたいへんな労力を使って観察し、そして分かった気になって素人さんをそそのかしている。

加えて彼らは、以下の病気に罹っている。
追認の誤り=知らないことを過小評価する、知ってることを過大評価する
講釈の誤り=因果関係の過大評価(情報は次元を落とさないと広がらないというトラップ)
物言わぬ証拠の問題=確率過程の実現しなかった部分を無視する

これ全部、「専門家」の深刻な病。
たちが悪いのは、ビョーキだと本人さえ気づかずに、いたいけな素人を騙し続けること。


もちろん、論理的帰結、というのはある。
ドラッカー的に言うと、すでに起こった未来、もある。
しかし、「いつ」というのはわからない。
本質的な意味での予測なんてできない。

だから僕は「予測」することはやめたのだ。
小さな変化を作る生き方に変えたのだ。
大きな変化に適応する生き方に変えたのだ。

投資も、予測するのではなくて、変化に対応できそうな企業を選ぶ。
経営コンサルも、現環境に最適化させるのではなく、変化に強い体質にすることに注力する。
これが、「先はわからない」ということをわかった時に、お客さまに対して真摯を尽くすことだと思ったからだ。
わからないということがわかったときに、それ以上騙し続けることができなくなったのだ。
お客様を、そして自分を。
これは大げさでも何でもない。
これは偽物だ、と思いながら、お客さんが求め続けるから提供し続ける、ということができますか?
そういうのに死にゆく貴重な時間を使えますか?

自称専門家の皆さま方、あなたたちはそれでいいのですか?
それでいいのでしょう、だってご自身がビョーキに気づかれていないのですからね。


タレブはどうしたか。
オプションを買い続けるファンドを作った。
これは正しい。
タレブを知る前からコチラで僕も指摘していたこと。
オプションを買い続けることが、彼ができるブラック・スワン対応策だった。
今、彼は、「果ての世界」(本著参照)は人に任せて、自分は研究や執筆、講演で「月並みの世界」にやや軸足を動かしているようだ。
(元々研究や執筆は「果ての世界」だが、一度ブランドができると優雅な「月並みの世界」になる?)


私は予測ができます、なんていう人がいたら、
すかさず耳をふさいで、そっと「ブラック・スワン」を手渡してあげよう。
後講釈を滔々と垂れ出す人がいたら、
その場を離れる前に、そっと「ブラック・スワン」を手渡してあげよう。

それが優しさってもんだ。
おそらくそれが本著の最も有効な使い方なのだ。

それでもビョーキが治らない場合は、そのお方がた自体をカラ売りする方法を考えてみよう。
僕と一緒に。
(あ、彼らの言っていることが常に外れるという意味ではないですよ、念のため)

PS.去年の年末、生タレブの講演聴く機会があったのですが、文章の辛辣さとは違って、ユーモアのあるいいプレゼンターでした。




2009年09月14日

「スポーツチームとチャーリーズ・エンジェルに学ぶ資産形成術」日経ビジネスオンライン

またまた、日経ビジネスオンラインに登場です。

今回は、
『スポーツチームとチャーリーズ・エンジェルに学ぶ資産形成術』 (はいクリック!)

投資のポートフォリオ(投資先の組み合わせ)の作り方を、音楽や戦隊ヒーローもの、特にプロスポーツチーム作りに喩えて解説し、さらにチャーリーズ・エンジェルに喩えてその際大切にしたい視点を提案してみました。

はじめ、タイトルを、
スラムダンクとチャーリーズ・エンジェルズに学ぶ資産形成術
にしようかと思ったのですが、さすがにやり過ぎかと思って控えました。
本当に喩えたかったのはプロチームだったもので。

『スポーツチームとチャーリーズ・エンジェルに学ぶ資産形成術』
1.まず大切なのはバランス
2.コストを抑えて強くするのがカギ
3.ポートフォリオには適した数がある
4.そのチームで何の競技をするのですか?

ひとつ納得がいかないことは、「チャーリーズ・エンジェル」は、なぜ日本語タイトルが複数形のチャーリーズ・エンジェル「ズ」じゃないんだ!?
おかげで、僕の文章が全部単数形に直されて、せっかく複数の組み合わせのポートフォリオの喩えなのに、意図が伝わりにくくなってしまった!
配給会社の猛省を促す!(うそ、冗談です)

合わせて、今回の連載の過去2回も、未読のかたはお楽しみください。
『選挙も投資も「美人投票」では面白くない!』
『「婚活vs恋愛」で考える投資学』
タグ:金融 投資

2009年08月31日

いつでも投票可能

いつでも好きなときに投票できるよ、投資という形でね。
You can vote any time you like. That is investment.
タグ:金融 投資

2009年08月25日

選挙にも投資にも興味ないかたへ 選挙も投資も「美人投票」では面白くない!

日経ビジネスオンラインでの連載「インサイターになろう」に、もう一度書きました。

選挙も投資も「美人投票」では面白くない! (クリッククリック!)

「美人投票」は普通のミスコンじゃないですよ!
これで、選挙も投資も、おもろく身近になってもらえれば・・。
「株なんて!」って言っている人が、なぜ株式会社に勤めているんだ!?

選挙と投資のアナロジー(類比)で、色々見えてくることがあり、いくつかの通説が疑わしいこと、それから、こんな方法をとるといいんじゃないか?なんていう提案も入れさせてもらいました。

1. 株式市場の取引が企業の応援となる理由
2. 「選択と集中」は常に正しいのか?
3. 株式ではなく、土地・住宅でリスクを取る日本人
4. 労働者であり、資本家であれ
5. 「群衆の叡智」で限界を突破しよう

しかし、公職選挙法ってのはとんでもない規制ですね。
公示期間中だったため、色々制約があり、登場人物や政策など、全然思うように書けなかった!本来、オープンな議論こそ必要なのに!
コンプライアンス不況と全く同じ構図。やり過ぎで逆効果。
変えるべし、ですよ。

合わせて、先週書いた
「婚活vs恋愛」で考える投資学
もどうぞ!

2009年08月18日

酒井法子とガバナンスと監査報酬

のりピーの一件は、ショックですね。
実は、昨日紹介した「『婚活vs恋愛』で考える投資学」の原稿の最後は、当初、「酒井法子さんも矢田亜希子さんも、旦那さんがおクスリで逮捕されるなんて同情を禁じえませんが、パートナーが道を外れないように見ていてあげることも必要だったのでしょう。それこそがガバナンスです。」なんていう原稿になっていたわけですが、急転直下。押尾学のほうは何だかヤバいことになってバックにはニュースも流せないほどムニャムニャ‥、のりピーのほうはご自身が使用していたというわけで、原稿を書き変える羽目に。

のりピー、最近目が落ちくぼんできたなー、さすがののりピーもトシなのかなーなんて思っていたのですが、そういうことだったんですね。
しかし、なんだろうなー、責める気持ちよりも、同情の念を禁じえません。イキがって手を出したというより、それ以外幸せを見つける方法を知らなかったのかな、という痛々しさというか。悪いことには間違いないんですが。

「進化しすぎた脳」「単純な脳、複雑な『私』」などを書いた、今売れっ子の脳科学者である池谷裕二さんの記事を読みましたが、人は快感を腹側被蓋野(テグメンタ)と呼ばれる脳部位で感じるそうです。
ある基準に対して、それ以上の刺激が来ると、テグメンタが活性化して快感を感じます。しかしすぐに刺激に順応して反応率が低下してしまうという特徴があります。
同じ摂取量では快感を得られなくなるのです。
ようするに、一旦手を出すと、どんどん量を増やしていかないと満足できないので、確実に地獄行きが待っているというわけです。
何が恐ろしいって、ダイエット薬とかいって最初無料で配る輩がいるらしいということですね。

ちなみに、池谷さんによると、お金もこのテグメンタを刺激するらしいです。
稼ぐこと自体に快感を感じると、際限がなくなる、というわけです。
社会に価値を提供したご褒美としてのリターンは存分に得てもいいと思いますが、金稼ぎが目的になると・・
道を踏み外した形で稼がないように、ガバナンスが必要ですね。
人間そんなに強くないなら、強くなくても道を外さない体制を整えておくべきってことですね。

こんなとき、いつも思い出すのが、企業から監査報酬をもらってその企業を監査する体制・・。
(SECみたいな第3者あるいは、市場自体が企業からあらかじめみかじめ料をとって、そこが監査法人に報酬を払えばいいと思うのですが)

要は、「仕組みは性悪説で作っとけ」ってことですね。
タグ:金融

2009年08月17日

「婚活vs恋愛」の投資学 牟田直弘が日経ビジネスonlineに登場です

日経ビジネスonlineでの連載「インサイターになろう!〜会社がわかる、社会がかわる」に、僕のコラムが登場です。

題して、「婚活vs恋愛」で考える投資学 (クリッククリック!)

全くふざけていません。データも入れた、かなり本質論です。
以下、見出し。

「『婚活vs恋愛』で考える投資学」

1.短期投資は恋人、長期投資は結婚相手
   恭子さんの場合、美香さんの場合
   法人の性格は、企業文化に表れる
2.恋愛体質な日本の株式市場
3.恋愛と結婚、どちらが実り多い?
4.結婚相手が秘密主義では・・・


恋愛VS婚活で投資を考え、映画ネタあり、クスリネタあり、(あ、編集されちゃったんだ)、長期投資と短期投資の投資リターン対決あり、などなど、「楽しみながら役立つコラム」を目指したつもりです。
おもしろかったら、ぜひお知り合いにご紹介ください。

全部読めますか?ページ一番下のフィードバックもお願いします。
少なくとも最初の数ページ見られると思います。
無料なのでぜひ登録して(ギメイニックネームでも大丈夫・・日経さんすみません)全部読んで、フィードバック投票をお願いします。

あ、くれぐれも念を押しておきますが、僕の恋愛観、結婚観は別ですので。
僕のはコチラとかコチラ参照。
ま、つまり、心が揺さぶられるか、に尽きるのじゃないかと思ってるんですね。


ちなみに、コラムは来週月曜も書きますので、乞うご期待!

2009年08月07日

書評:ナシーム・ニコラス・タレブ「まぐれ 投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか」

3年前に、「金融オプションを売るのはバカ者のすることではないのか?」というエントリを書いた。
エッセンスは、オプションの値付けは間違った分布を仮定しているので、オプションを買い続ければ長期的に勝てる、ということ。

で、驚いたことに、いたのだ。実際にそれでファンドを運営している人が。
それが、本著を書いたナシーム・ニコラス・タレブ氏。
それに気づいたのは、読み終わり近く、本著の最後の最後の、しかも訳者あとがきに書かれてあった。
(現在売れまくっているらしい「ブラック・スワン」を書いた同じ人。)


で、本著の内容。これまた僕の考えにかなり近い。

この人のメッセージは、単純。市場の日々の動きはノイズだ、ということ。

マーケットというのは、簡単に例えると、10年に一度の大波とその間の凪(なぎ)で作られている。
ほとんどの市場参加者が凪で飯を食っている。

僕は、一時期、株式ストラテジストとして、お偉いさんとチームを組んでいたことがある。
そのとき、横から部長が「お前は、○○さんのために日々刻々のニュースを追わなければならない。」
とんでもない、そんなものノイズでしかない。
僕からすると、ゴミあさりをしろ、と言われたに等しい。
だから断った。
日々のニュースを逐一追うことに僕の強みはないこと、そもそもノイズであって、そんなことをしたら本質を見失うこと、を述べて、「やりません」と断った。
幸い、そのおえらいさんのほうは、柔軟で頭の良い人だったので、分かってもらえた。

僕が前職を辞めた理由はいくつかあるが、一つがこのノイズだ。
マーケットのノイズの説明を日々求められるような仕事に飽き飽きして、時間の無駄だと思うようになったから。本来、証券アナリストが提供するべき価値とは違うと感じたから。いやそれよりも、「僕」が提供するべき価値とは違うと感じたから。
こういうのは、ノイズだと気付かずに、したり顔で説明したがる輩にやらせておけばいい。
僕は実を取りたい、実際に役に立つ仕事がしたいと思ったのだ。

悔しいのは、ノイズをノイズとさえ認識していない「プロ」に騙される人があまりに多いこと。
こういう心情は、この著者と全く共有している。
著者の矛先は、主にジャーナリストに向かっているが。

なぜ、マーケット参加者でぼろ儲けしていた人が、突然吹っ飛ぶと思いますか?
彼らは、凪のときにリスクを取って儲かっている。リスクを取り過ぎていることに気付かず、自分がスーパーマンのように勘違いしているのだ。ひとたび大波がきたら、取り過ぎたリスクによって、飲み込まれてしまうのだ。

動物のメスは、他の条件が同じなら、健康な若いオスよりも健康で年寄のオスを交尾の相手に選ぶ傾向がある。長く生きてきたということは、その間に起きた突然の変化に対して高い抵抗力を持っている可能性が高いのだ。

凪でまともに儲けることが、いかに難しいかの例。
正規分布で、年率で期待リターン15%、ボラティリティ10%の市場を仮定する。
(本当は株式市場は正規分布ではないが、ここでの議論の本質とは関係ないので)。
このとき、任意の1年間で儲かる確率は93%、1四半期だと77%、1か月だと67%、1日だと54%、1時間だと51.3%、1分だと50.17%、1秒だと50.02%‥
年率期待リターン15%という長期で上昇トレンドを持つ相場でも、時間が短期であるほど、ランダム性が増すのだ。
デイトレ?やめときなさいって。

凪の時期は悪貨が良貨を駆逐する。ノイズで食ってる人のほうが、リスクを取り過ぎていることに気付かない分、凪のときには儲かるから。そして、上のマネジメント層がバカなので、儲かっているやつが偉いと勘違いするから。
ネガティブ変異という言葉がある。繁殖適応度が前の世代よりも劣っているのに生き残っていく特性だ。そして大概、数世代以上は生き延びられない。この言葉を金融マネジメント層は知ったほうがいい。

筆者のたとえで言うと、「サルを無限大匹集めると、イーリアスを正確に書く猿が1匹は出る。そのサルは次にオデュッセイアを書けるか?」となる。
切れ味鋭すぎ。
僕は、特に株式市場は完全ランダムとは思っていないので、この喩えはやり過ぎだと思うが、でもかなり本質を突いていると思う。

他にも、確率論や統計データのサンプルの誤りなど、同意同意!な話が満載に登場する。
そういうえば、サンプルの誤謬は、コレにも登場したな。

突然ですが、以下の問いに挑戦してください。
不正解だった場合、本著を手にとって、その舌鋒鋭い言説を堪能されることをおススメします。

問題:人口1000人のうち1人罹る病気があります。ある検査では、5%の確率で誤ってこの病気の偽の陽性反応が出ます。いま、ある被験者を検査したところ、陽性でした。
果たして、この被験者がこの病気に罹患している確率は?

5%しか偽陽性反応が出ないなら、95%罹っているじゃないの?と答えた方、不正解。

答えは約2%。ええ、2%しかありません。


理由は、陽性反応が出て、かつ罹患している、という条件付き確率を求めなければならないから。
ここに1000人いたとすると、陽性反応が出るのは何人?
本当に罹っているのが1人。
罹っていないのに偽の陽性反応が出るのが50人。
つまり、陽性反応のうち本当に罹っているのは、1/51で約2%。

へーへーへー、と思った方は、本著をぜひ。
ちなみに、同じような例が、認知バイアスとしてコチラにも登場しますので、20へーのかたは合わせてどうぞ。


タグ:金融 経済

2009年07月31日

経済・マーケットに関する独り言

在庫調整が終了。
でも、米国と欧州で世界のGDPの5割近くありますが、いかがなもんでしょ。
不動産バブルは手ごわいよ?(2008年04月01日「不動産の粘着性」
とはいえ、長ーい目で見た水準は・・


そういや、サブプライム問題は対岸の火事だと言って、金借りて不動産にぶっ込んでると言っていた方は、どうなったのだろう?

タグ:金融

「投信を買う」って変な言葉だな

最近、非常に違和感を感じているのが、「ファンドを購入する」「投資信託を買う」という言葉。
「買う」っていうのは、売る側に同じ額だけ売上が立つ行為なわけだ。
1000円の服を買う、と言ったら、服屋さんに1000円の売上がたつ。

投信の場合は?
投資信託を100万円購入する、と言うけれど、実際には100万円を別口座に移しているだけで、投信会社の売り上げに立つのは年間1万円。
では、1万円で本当に買っているものは?
それは運用代替サービス。

つまり、「買う」のは1万円の運用代替サービスであって、100万円分を購入しているわけではない。

これって、大きな心理的ハードルになっているんではないかと思う。
100万円の商品と1万円のサービスって、購入心理は全然違うでしょ?

正確にいえば、「100万円を別口座に移して、運用代理サービスを1万円で買う」ということ。

銀行預金で安全口座を持ち、投信で成長口座を持つ。
アセット・アロケーションなんて小難しい言葉を使うが、要はそういうこと。


そういや、銀行は「預ける」だし、保険は「入る」なのに、投信は「買う」。
これってなんでだろう?

2009年07月23日

日経ビジネスオンライン「インサイターになろう」第4回

今回は、コモンズ投信の運用調査担当の奥野雄平さん執筆です。

外国人役員をどう評価するか?

外国人役員を入れる意義が、事例も含めてまとめられたいい記事です。
メリットがあるかどうかは、その外国人役員次第であり、他の経営陣が彼・彼女のいいところを認めうまく力を引き出せるか次第なのですが、少なくとも多様な視点を入れようとした柔軟性は評価できるのかな、と僕は思います。

2009年07月21日

日経マネー2009.9月号

今日発売の日経マネー2009.9月号p104〜107に、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實(かまたみのる)さんコモンズ会長の渋澤健さんの対談が載っていますので、ぜひ。

「あったかな資本主義」で30年後を作ろう、という趣旨です。いい記事です。

ビールの銘柄数が増える??

ビール評論家?なる人が、TVでキリンとサントリーが経営統合したら、力を持ってもっと多くの銘柄を開発できるようになる、なんて言っていましたが、逆だ逆!

日本のビール業界は、プレーヤーの数が多くて、開発競争、広告宣伝競争になっていて、グローバルに見て利益率が低い。
むしろ、プレーヤーの数を減らして、広告宣伝費率を下げたい、開発費率を下げたい、というのが経営の考え。
ブランド力を高めて、銘柄数を減らしたいのだよ。
コカ・コーラなんて、どんだけ銘柄数があるんですか?

キリンは最近、それまでの日本国内のビール業者から脱皮しようと色々頑張っていますね。今回のことも、ここまで持って行けたことは素晴らしいと思います。
しかし、随分、企業文化が違うような気がしますが、うまくいくのか。興味あります。

タグ:金融 経済 経営

2009年07月09日

日経ビジネスオンライン「インサイターになろう」第2回

今回は、バリュークリエイトの佐藤明さんの記事です。
タイトルは、「株主総会はセレモニーから『本気の対話』へ
お楽しみください。

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