2008年02月05日

吉本佳生「スタバではグランデを買え!」


身近な実生活を経済学の目を通して解説した本。
取引コスト、規模の経済性、平均費用と限界費用、需要の弾力性を利用した価格差別、インセンティブなど、ミクロ経済の知恵が、実生活の「なぜ?」の解説に用いられている。
ミクロ経済学をある程度理解している人にとっては、ちょっと物足りないかもしれないが、そうでない人にとっては、大いに発見があるだろう。
携帯電話会社の料金設定については、以前ちらっとこちらで触れたことがあるが、この本にはさらに詳しい解説が書かれてある。

特に、ぜひ皆に知ってもらいたいと思ったのは、第8章「子どもの医療費無料化は、本当に子育て支援になるか?」
一見民に優しい衆愚な政策に踊らされると、いかにツケを払わされるか。こういう動的なフィードバック効果を考えずに、表面的な効果を謳う政策って結構ある。

最後に登場する音楽著作権の話のポイントは、「著作権者のためではなく、周辺業者の既得権を守っている」ということだが、周辺業者をCD製造業者じゃなくて、ぜひJASRACに置き換えて書いて欲しかったなぁ。
ちなみに、JASRACとはこんなところです。YouTubeなので音注意。
http://jp.youtube.com/watch?v=I5anNWJkw08

この本を消化した人、あるいは物足りなく感じた人は、ちょっと古いが伊藤元重「ビジネス・エコノミクス」を後継として薦めたい。
前掲がミクロ経済で実生活を解説したものであったのに対し、こちらは、実生活でミクロ経済学を解説したもの。より理論に重きが置かれており、モラルハザードやオークション理論、ゲーム論なども登場する。
ミクロ経済学の肌感覚がより身近になると思う。



posted by nao at 12:09| Comment(0) | TrackBack(3) | 経済(学) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

試験攻略新経済学入門塾 1 マクロ編 (1)
Excerpt: 経済学の入門書というと、書店に行けばそれこそ「入門」「わかりやすい」と銘打つ表紙が百花繚乱の如く並んでいるものの、経済学を平易に平易に語ろうとするあまり、気がついたら単なる「経済ニュースの解説書」と化..
Weblog: J-POPがいいと思う
Tracked: 2008-02-07 19:35

ビジネスマンの父より息子への30通の手紙
Excerpt: ゆっくり、じっくり読みたい本です。この中にのっている「ガルシアへの書簡」という小文が印象的です。「若者に必要なのは、机上の学問でも、あれこれの指示でもなく、背骨をまっすぐに伸ばしてやることである」と。..
Weblog: ビジネスをあなたに捧げます
Tracked: 2008-02-08 06:05

no regret life
Excerpt: 吉本佳生「スタバではグランデを買え!」スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学. by Seesaaショッピング. スタバではグランデを買え! ―価格と生活の.. ¥. 身近な実生活を経済学の..
Weblog: こうだくみ攻略
Tracked: 2008-02-14 17:19