2007年08月21日

比較優位に足りないもの2 〜アウトソースが常に正しいわけじゃない

先日、比較優位は正しい概念だけれども、需給の観点と時間の観点が欠けているために、現在の比較優位に特化することが必ずしもハッピーにつながらない、ってことを書きました(「比較優位に足りないもの 〜『日本はものづくりが得意で金融は不得意』は本当か?」参照)。
その文脈からもう一つ言えることがあります。
それは、アウトソースが常に正しいわけではない、ということです。

「選択と集中」をせよ、コア事業以外は売り払え、得意分野以外はアウトソースせよ、という意見が主流となっています。もちろん、そうした考え方も間違いではありませんが、常に正しいわけではない。
なぜなら、得意分野が競争の激しい分野となり、アウトソースあるいは売却してしまった分野が、競争のない、それでいて需要の多い分野になったら、ということを考えれば明らかです。
それに、コア事業といいますが、本当に本当に、その企業の強みはその事業にあるのですか?(この辺りの文脈は、「比較優位に足りないもの 〜「日本はものづくりが得意で金融は不得意」は本当か?」を読んでください。)


もちろん、「だから自前で全部持て」と言っているわけではないですよ。
選択と集中、コア事業特化、アウトソーシング、をやみくもに信じてはダメだということです。


これ、個人レベルでも同じことが言えますね。


posted by nao at 06:39| Comment(2) | TrackBack(0) | 経営 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おそらく、選択と集中、コアに特化、等を国家としてやろうとすると、やれ補助金だ、規制だ、守れ、増やせ、となるんですけど、過去にそうした分野が国際競争力をつけましたっけ?

日本人の性格なのでしょうか、守られると弱くなる気がしてなりません。むしろ、徹底的に競争にさらして叩かれることで強くなるのかなと。

日本はこれだけ経済大国であるわけだから、全部でもいいんですよね。製造業も、金融も、農業も、資源は無理ですが。今は弱い金融だって、トヨタやホンダと同じくらい(いや、それ以上に)エリートを集めているんだから、本気で競争すれば勝てないこと無いと思うんですよ。

まずは千尋の谷から突き落とすことから。

では、そのとき、国家はそういう企業をどうやってサポートすればいいんでしょうか?
Posted by jinya at 2007年08月21日 11:08
僕も同意見で、国が産業政策に関与すべきでないと思います。
そもそもどの産業が強いなんて、結果論でしかないわけです。
国が産業政策上やるべきことは、公正なルール作り、ルールを守らせる監視体制、ルールを破ったときに罰則を与える、ということだと思います。
Posted by nao at 2007年09月01日 12:21
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