2007年04月03日

米国の住宅市場、サブプライム・ローンにばかり注目が集まっていますが…

サブプライム・ローン業界2位のニューセンチュリーが破産法申請しました。いわゆるチャプター11ですね。
サブプライム・ローンというのは、低所得者層向けの住宅ローンでして、もちろん信用度が低い分高金利なんですが、初回支払いは低額で済むなど、緩い融資基準だったりするわけです。

ただ、サブプライム・ローンの融資焦げ付きうんぬんよりも、米国住宅価格の下落は大きな影響を持つと思います。
低所得者向けローンの焦げ付き自体は、いくつか処理の枠組みがあるわけでして、低所得者層がデフォルトしたとしても、実質的に米国の消費全体に与える影響は軽微なわけです。元々消費に占める割合の小さな層なので。ご本人たちにとっては、大変なのですけど。

しかし、ホームエクイティ・ローンについては、そうはいかない。
米国の住宅市場は、住宅価格の上昇が前提となっているような仕組みが色々とありました。
ホームエクイティ・ローンはその典型。金融機関が、住宅購入者に対して、その資産価値が上昇したら、与信枠を広げて金を貸し出すという仕組みです。これによって貸し出したカネが消費に回っていた分が結構ありまして。一説には、ホームエクイティローンで米国の家計に転がり込んだ現金は、可処分所得の7%程度を占めるとか、ホームエクイティローンによる消費が米国の家計消費全体の5%ぐらい占めるんではないか、なんて言われていたのが2年ほど前でしたでしょうか(このあたりの数字は、当方責任持てませんので悪しからず)。

この数字が正しければ、サブプライム・ローンの焦げ付きは氷山の一角で、住宅市場のシュリンクの米国景気に対する影響はまだまだこんなもんじゃ済まされないかもね、ってなお話。株価を見る限り、皆さんそこまで懸念してらっしゃらないようですけどね。
posted by nao at 14:28| Comment(4) | TrackBack(1) | 経済(学) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちわ。すばらしいブログですよね。
私は某証券会社勤務で3年目になります。
「今日の収益はどれだけできた?」ではなく、
「今日はどれだけいいアドバイスができた?」
と顧客第一の環境を維持してます
私のブログでも顧客第一としています
こちらのブログのようにすばらしいブログにもしたいです
よろしくおねがいします
Posted by 木下義孝 at 2007年04月08日 21:43
木下さん

うちのブログをお褒めいただき光栄です。
証券会社でそういう姿勢が浸透しているのは、すばらしい環境ですね。(笑)
本当は、顧客の立場に立って顧客が喜ぶサービスをすることこそ、長期的な収益に繋がるのでしょうが、いまだに回転させることが第一目標の証券会社は多いのじゃないでしょうか。
ブローカレッジ・ビジネス自体がそういうインセンティブなので、そのビジネスモデルが変わらなければ変わりようがないのでしょうけど。

またうちのブログにも遊びに来て下さい。
Posted by nao at 2007年04月09日 14:45
ドツ証券アナリスト、江川氏のサブプライム問題の教訓(商事法務)という本にあった説明です。
サブプライムというのは、2007年までそんな商品はなかった。それまでhome equity loan HELと区分されていたのがサブプライムで、サブプライムの実態は、home equity loanだというのが、どこかに書いてありました。編集部に問い合わせたら、法律専門の出版社ですので、誤りはないとのことでした。
ということであれば、ここにある説明は違っていませんか。サブプライム・モーゲージとHEL、それらの証券化の違いがわかりません。わかれば教えてください。
Posted by 未熟な素人投資家 at 2007年12月30日 17:50
未熟な素人投資家san
すみません、ちょっと書き方が悪かったかな?
HELには、低所得者向けのサブプライムでない、普通のプライム向けローンもあるわけです。
サブプライム向けは、実際に焦げ付いて、しかもそれを組み入れていた証券化商品が世界中に売られていたので金融システムへの懸念からクローズアップされていますが、焦げ付いていないローンもあります。
これらは粛々と返済されているのですが、与信枠拡大で消費が拡大していたという、この仕組みは住宅価格が上昇しなくなった現在、使えない。つまり、消費のかさ上げ効果は剥落すると、そういう意味で書きました。
Posted by nao at 2008年01月03日 16:23
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

不動産の粘着性
Excerpt: 米国の雇用統計やISM指数など、米国不動産市況下落の実体経済への影響が明らかになりつつあります。 だから言ったでしょう、長引くって。 (米国の住宅市場、サブプライム・ローンにばかり注目が集まっています..
Weblog: No Regret Life
Tracked: 2008-04-01 14:16