2006年08月04日

株式投資講座H DCFモデルvol5 事業価値と企業価値の整理

前回、キャッシュフローと割引率の説明を今後していきます、と予告しましたが、その前に整理しておきたいことが。

現在、事業価値の求め方をDCFモデルという形で学んでいます。
最終的には、理論株価をどのように求めるか(求めた理論株価と現在の株価を比べて割安割高を判断する)、というのが、この「株式投資講座」の狙いです。

なので、事業価値と理論株価の関係を、ここで整理しておきます。
目的を先に明確にしておくことは、現状やっていることの理解に役立つと思います。



事業価値は、その名のとおり、事業の価値です。(笑)
で、企業は、事業以外にも資産を持っている場合があります。
典型例は、事業に使っていない現金等ですね。

つまり、企業価値は、事業価値に非事業用資産(価値)を足したものになります。

こう考えると理解しやすいかもしれないですね。
同じ価値を持つ事業をしている企業が2つあったとして、一つはその他に現金を持っている、一つは現金を持っていない、だとしたら、現金を持っている企業のほうが全体の価値は大きい、と。

ということで、

企業価値 = 事業価値 + 非事業用資産(価値)

です。



さて、この企業価値は誰に帰属するのかといえば、最終的には、債権者と株主です。
なぜなら、この人たちが、もともとのお金の出し手だからです。

債権者に帰属する価値といえば、負債ですね。

よって、株主に帰属する株式価値(株主価値とも言う)は、

株式価値 = 企業価値 − 負債


ということになります。


さて、最初にDCFで求める事業価値は、あくまで我々の「予想」キャッシュフローの割引現在価値でしたので、言ってみれば、われわれが勝手に考える「理論」事業価値なわけです。
つまり、それに基づいて、もとめた企業価値も、もちろん「理論」企業価値。
そこから負債を引いて求めた株主価値も、われわれが想定する「理論」株主価値です。

株価というものは、一株当たりの株式の値段ですから、この「理論」株主価値を、株式数で割ったものが、われわれの想定する「理論」株価、ということになるわけです。
(本当は、「理論」なんていう大それた名前を付けずに、「想定」株価とか、「妥当」だと考える株価とか、そういう名前のほうが実態を表しますが、慣例上、理論株価という名前になっています。)


理論株価 = 理論株主価値 / 発行済株式数


以上を、視覚的に分かりやすくしたのが、以下の図です。


corporateValue.png
クリックで拡大


株式市場で付けられている実際の株価が、自分が妥当だと考える「理論株価」よりも低い場合、この銘柄は「安い」と判断して、買えばいいわけです。
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価値
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