2006年06月29日

株式投資講座G DCFモデルvol3 実際に事業価値を計算してみる

さて、DCFモデルの続きに戻ります。

で、まずは、実際に事業価値を計算してみます。
そのほうが理解が早い。

今、来年から3年間だけ、毎年10億円キャッシュを稼げる事業があるとします。
割引率が10%とすると、この事業の価値はいくらになりますか?
前々回、前回で覚えた「現在価値に割り引く」ということを使って、定義にそのまま当てはめてみてください。
(割引率をどう考えるかの詳細はまた書きます。ここではDCFの計算の仕方を先に説明したいので、とりあえず、割引率10%をそのまま使ってください。)

DCFモデルの最初の定義は、
「事業の価値は、その事業で将来儲けるキャッシュを全部足し合わせたもの、になります。但し、今の100円と将来の100円の価値は違うので、足し合わせるのにちょっと工夫が必要です。それが、現在価値に割り引く、ということです。」
でした。


1年目に稼ぐ10億円の現在価値は、
10 / 1.1 

2年目に稼ぐ10億円の現在価値は、
10 / 1.1^2 

3年目に稼ぐ10億円の現在価値は、
10 / 1.1^3 

つまり、この事業の事業価値は、この3つの現在価値の合計ですから、
10/1.1 + 10/1.1^2 + 10/1.1^3 = 約25 億円

ということになります。

だからどうしたって?
いやいや、これがものすごく使えるんです。


あなたが経営者の場合。
このプロジェクトを実行するのに、初期投資として28億円必要だったとします。
あなたが経営者なら、このプロジェクトを実行しますか?

初期投資が28億円で、この事業の現在価値が25億円なら、正味の事業価値は、マイナス3億円になりますね。
だから、この事業はやらないほうがいい。
毎年10億円、3年間稼げるんだけど、この事業はやらないほうがいいんです。
いくら面白い企画だろうが、やらないほうがいいんです。

あるいは、初期投資が20億円で済むなら、
正味の事業価値は、
25億円 − 20億円 = 5億円  
のプラスです。
だから、この場合はこのプロジェクトを実行するべきなんです。

このように事業価値を算定することで、ある程度客観的に投資の意思決定を行なうことができます。


あなたが投資家の場合。
仮に、この事業だけをやる会社があって、4年以降は稼ぎがないと予想されるとします(初期投資は20億円必要)
話を単純にするため、無借金経営で、現金も持ってないとします
(この場合、事業価値=企業価値=株主価値になります)。
この会社の株式が市場で120円(発行済株式数500万株)で取引されていたとして、この銘柄は買いですか?

この場合、
5億円 / 500万株 = 100円

が適正な株価水準ということになりますので、120円という市場価格は割高ですね。当然、買わないほうがいいでしょう。

このように、DCFモデルできちんと価値算定することで、株式投資の際の明確な基準を自分の中で持つことが出来るようになります。
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック