2006年06月26日

株式投資講座F 日常的なのに気づかれない「割引現在価値」

DCFモデルの話の続きをする前に、もう少し「割引現在価値」について書いて見ます。

前回の説明でお分かりかと思いますが、「割引現在価値」と「複利利回り」は逆の関係にあります。無リスク商品の利回りがあるので、現在の100円はリスクなしで年々増えていく。逆に言えば、将来の100円は現在の100円の価値はない。
こうしたお金の価値の仕組みは、日常生活でも実に重要です。
しかし、この基本的なことを、実は理解している人が少ない。

例えば、保険商品で、「10年後100万円キャッシュバック!」なんて謳い文句があります。しかし、10年後の100万円は今の100万円ほどの価値はない、ってことは、すでにお分かりですよね。
仮に、10年物国債の利回りが2%なら、10年後の100万円の現在価値は82万円しかありません。
そういう意識を持って、この保険商品を購入している人がどれだけいるでしょうか。
(これ特定商品に対する批判ではありません。あくまで理解のための例です。)


さらに、この話にはもっと別の面があります。
この100万円は10年後あなたに支払われるべきものなので、言ってみれば、あなたから保険会社への貸付け、保険会社からすればあなたから82万円を年利2%で借りているのと同じことです。
保険会社は、この借りている82万円を、2%を上回る利回りで運用できれば、その利ざやを稼ぐことが出来ます。
例えば、年率5%の利回りで運用できたとすると、82万円は10年後に134万円になっている。
( 82×(1.05^10)=134 ですね。)

つまり、保険会社はあなたからの借金で、10年間で52万円利ざやを稼ぐことが出来る。
あなたのような顧客を何万人も抱えることが出来たら・・・

これが、保険会社が「10年後100万円キャッシュバック!」でやっていること。
今82万円キャッシュバックできるところを、そうせずにあなたから借りておくことで、利ざやを稼ごうとしているわけです。
当然、あなたが82万円を運用する機会は失われます。
保険会社がその機会を持つわけです。
(何度もいいますが、これ保険会社の批判ではありません。保険は保険として必要な商品です。)


というように、現在価値や複利利回りの考え方は、実に日常的であるにもかかわらず、理解していない人が多数、という代物です。
理解していない人は、理解してそれを利用するプロの商売のネタになります。
これ世の常ですね。
誰か言ってませんでしたっけ、
「専門家とは情報の非対称性を利用して稼ぐ者である。」
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Tracked: 2006-06-26 10:58